梁楷筆。
重文。
釈迦が山中六年の苦行にもかかわらず解脱を得ず、雪山を降りる姿を画いたもの。
禅宗において、釈迦を人間として扱い、修行者の手本としてその行為を尊重した結果生まれた祖師像の一つ。
画面を縦に対角線状に横切る断崖が明暗を分け、憔悴した釈迦の肉体、やつれた朱の衣、荒々しい灌木の描写は主題にふさわしく峻厳である。
左下隅に「御前図画「梁楷」の款記があり、宮廷画院画家としての制作である。
能阿弥が撰した足利将軍家所蔵目録 『御物御画目録』 に記載されている 「出山釈迦図」に相当。
【付属物】 内箱―黒塗、几帳面、縁蒔絵
【伝来】若州酒井家
【寸法】 全体 縦229.0 横76.5 画面縦118.0 横51.5