春景山水図 しゅんけいさんすいず

春景山水図
Picture of 鶴田 純久の章 お話
鶴田 純久の章 お話
春景山水図
春景山水図

伝岳翁筆、子通周量・了庵桂悟賛。
重文。
濃淡墨を基調に、淡彩を加えばえん明澄な描写で、春の気分が画中にあふれている。
筆者岳翁は蔵丘の諱をもち、周文を師とする画僧で、周文流の馬遠様の蒼古たる画趣を夏珪様の撥剌とした画風に発展せしめている。
本図には、南禅寺の子通周量、東福寺の了庵桂悟による著賛がある。
『軒日録』の文明十八年(1486)の記事によれば、岳翁と了庵とはかなり親しい関係にあり、伊勢地方に岳翁画が多く伝存するところから、両者が同郷伊勢出身であることが判明した。
平遠構図による謹厳な画法であり墨色は潤沢、色調も透明で情緒的である。
【寸法】画面 縦86.4 横29.3
【所蔵】正木美術館

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