牧谿筆。
双幅。
余白を生かし、淡墨を基調とした筆数の少ない描写は、禅的というよりはむしろ瀟洒な詩を伝えている。
牧谿は蜀の人で、法常と号し、西湖のほとりに六通寺を開いた禅僧であり、日本では和尚の名で親しまれている。
活躍期は十三世紀後半。
「牧谿」 朱文印をもつ。
両図とも下隅に「善」の朱文瓢形印がある。
これは足利義政同朋衆の一人善阿の所蔵印説をもつ。
【伝来】 足利義政堺伊丹屋源兵衛 鹿島屋九郎右衛門―川崎正蔵
【寸法】 敗荷鶺鴒図(右)全体 縦177.0 横49.0 画面 縦79.0 横31.0 枯芦翡翠図(左)全体一縦177.0 横49.0 画面 縦79.0 横31.0
【所蔵】救世熱海美術館