玉澗筆。
重文。
「廬山図」(632~頁下)の断簡。
藁筆を用いたような描法で、個性豊かな画境を展開している。
筆者に擬せられる玉潤若芬は天台僧であり、本図のごとき奔放な画法は、むしろ禅林所縁画家に求めたいところである。
したがって、室町時代に瑩玉潤なる禅僧を想定していた気持も理解できるが、現存する玉澗画がいずれも自画自賛であり、『松斎梅譜』をはじめとする玉潤若芬の伝記などから判断して、若芬を玉画の筆者に擬している。
【付属物】 内箱箔絵楼閣人物絵 外箱蓋裏書付木下俊長筆
【伝来】 足利義政 広隆寺 佐久間将監真勝 木下俊長 松平不昧
【寸法】全体一縦149.5 横40.5 画面縦43.2 横27.2