伝源俊頼筆。
『古今集』巻四断簡。
仮名序一巻(大倉集古館蔵)および巻十るろうせんこれふさ三の十五枚継ぎ零巻(平瀬家蔵)を除いてほとんど断簡として表装されていとおし筆者は「筋切」「通切」と同一人と考えられ、遺存の各切は、唐紙と蠟箋が交用された美しい豪華な料紙による『古今集』写本である。
『元永本古今集』『西本願寺本三十六人集』の『人麻呂集』『貫之集上』とも同筆で、伊房(1030~196)の子の藤原定実(世尊寺、一一一九出家)と推定され、巻頭部分の広々とした空間表現や、切の部分にみる散らし書にも、おおらかで格調の 高さ:がうかがわれる書風である。
【寸法】全体 縦一139.0 横39.2 本紙縦22.0 横17.0