伝藤原佐理筆。
『古今集』巻七断簡。
『古今集』を上下二冊の粘葉本に書写したもので、真名序・仮名序を含む巻十までが関戸家に完存したが、近年とおしその大半が分割された。
この断簡もその一部で、料紙の表の方を「筋切」と呼び、裏側を「通切」という。
この料紙は歌合の清書用に引いた銀泥の横罫を縦使いにしたもので、そのために「筋切」の名が生まれた。
筆者は藤原行成の曾孫定実と推定されているが、いまだ定説とはなっていない。
古来、佐理(944~1998)に擬せられてきたのは、たぶんその古筆切としての手鑑に押す位次からであろう。
【伝来】関戸家
【寸法】全体 縦136.7 横40.0 本紙縦22.1 横14.0