伝紀貫之筆。
『古今集』巻七(抄出本)断簡。
現存する色紙は三十三葉、Sしょうげんつちょうずれも 『古今集』 四季の歌である。
元来、唐紙を粘葉装にした冊子本で堺の南宗寺に三十六枚あったが、烏丸光広(1579~1638)が入手し、のち十二枚を佐久間将監真勝(1570~1642)が譲り受けたと伝える。
なおこの十二枚に歌意を描いた扇面を添え、画帖仕立てとして大徳寺龍光院内の自らの茶室寸松庵に伝えた。
筆致は優艶にして格調高い。
筆意に秘められた張りがあり、柔軟な筆先に弾みをもたせている。
唐紙の胡粉が剥落して補筆部分もあるが、古来平安の三色紙中の白眉とされた。
【伝来】佐久間将監真勝
【寸法】本紙縦13.2 横12.8