寸松庵色紙 すんしょうあんしきし

寸松庵色紙
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鶴田 純久の章 お話
寸松庵色紙
寸松庵色紙

伝紀貫之筆。
『古今集』巻五(抄出本)断簡。
白地の唐紙に歌を四行書としたしょうげんもので、南宗寺伝来、佐久間将監真勝所持十二枚の内の一枚。
歌意を描いた扇面の幅が添っている。
新鮮で明るく柔軟な美しい曲線美は、歌切中の白眉とされ、平安三色紙中最も優雅な筆跡としてもてはやされてきた。
のびやかな筆線には張りがあり、緩急があり、墨つぎのアクセントがあり、その緊張関係が静かな空間を構成しながら、筆者の息づかいを、心のたゆたいを伝えている。
胡粉の剥落も少なく、まったく補筆もみられない、すこぶる保存状態の良好な一葉である。
三色紙中最も気品が高く、茶味のあ歌切として数寄茶人の愛玩するところである。
【伝来】佐久間将監真勝

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