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鶴田 純久の章 お話
多賀切
多賀切

藤原基俊筆。
『和漢朗詠集』下巻巻末断簡。
「永久四年孟冬二日扶老眼点了「愚叟基俊」の奥書をともなう『和漢朗詠集』下巻巻末の断簡である。
自らの編集による『新撰朗詠集』の断簡「山名切」とともに、平安末期の代表的歌人基俊(1060~1142)の自筆になる歌切であり、現存の自筆奥書のある最も古い例であろう。
料紙は雁皮の白紙で墨による罫線があり、運筆には著しい右下がりの癖がみられるが、俊成様式への前駆的書風といえる。
「山名切」に比べると一層老蒼で枯淡な表現がみられ、五十代の完成された格調高い様式に支えられている。
【寸法】全体―縦116.0 横42.5 本紙縦24.5 横29.5
【所蔵】陽明文庫

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