赤楽 重文
付属物
箱 溜塗 金粉字形 書付 本阿弥光悦筆
同蓋裏 書付 同筆
伝来
姫路 酒井家―畠山即翁
所載
茶会漫録 草間和楽著 茶器名物図彙 姫路侯入札 姫路酒井蔵帳 東都茶会記第三輯上 大正名器鑑
寸法
高さ：8.9cm 口径：11.0～11.9cm 高台径：4.2cm 同高さ：1.0cm 重さ：450g
所蔵者
東京 畠山記念館
雪峰の光悦銘は、白釉の顔を峰に降り積む雪と見立てたもので、箱書の金粉字形も光悦筆で貴い。
口で抱えた鉄鉢風の丸造りで、姿にも光悦の特色がよく表われている。しかし高台内の抉ったような箆どりや、胴の大火割れは、温和な姿に鋭さ、烈しさを加えて、光悦の人物をさながらに偲ばせる。見込みは深く無限にひろい感じである。
赤い素地に白みがちの釉がかかって、切込みの深い高台際で溜っているが、高台も釉が見えて土見ずで、目が付いている。口縁から胴にかけての白釉は大火割れを挟んで、大きな景になり、いっそう強さを加えている。姿はやや小ぶりながら、その迫力においていよいよ大々たる実感の作である。
