名物。古瀬戸肩衝茶入。銘は置形が黒髪の乱れたような景観であるのになぞらえて、『万葉集』巻第十一、柿本人麻呂の「朝寝髪われは杭らじ愛しき君が手枕触れてしものを」に因んだものです。伝来のすべてについては明確ではありませんが、笹屋宗甫、京都の三井家、牧野家と転伝しました。(『大正名器鑑』)