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片桐石州 茶杓 共筒 銘有明

島津家伝来

略伝
片桐且元の弟貞隆の子。父の死後、遺領大和河内一万六千四百石を継ぎ、大和小泉に住す。寛文三(1663)年、小泉に慈光院を建て、玉舟に請うて開山となす。同五年、舟越伊予守と共に、四代家綱将軍に召され、点茶式を行ない、遠州の後を受けて柳営茶道となり、「石州三百箇条」を規制し、石州茶道は全国大名に風靡した。
その翌年62歳にして後西院に招かれ、妙法院堯然法親王に一畳半侘び茶法を伝授し、晩年は慈光院に二畳台目の茶室を増設した。
延宝元年(1673)十一月二十日没、69歳。

茶杓
石州茶杓の代表作で、白竹ではあるが、おっとりの部分が黒斑になって黒白境界線がはっきりしている。その黒い部分はまるで蒔絵のような濃淡の斑文を見せているのが、有明の雲のように美しい。
櫂先短く、切止の垂直の切りおろしは約束である。


杓と同竹、黒白見事なみだれを、武人杓らしくきっぱり面取して、下部になるほど削りこんで下すぼまっている。遠州の「くせ舞」、将監の「将の字」と共に大名杓の三役といってよい。 「有明」の書入の見事さ、口印の花押も珍しく他に見かけたことがない。

付属物
内箱 桐 白木 書付 「有明の御茶杓 片桐石州作」
外箱 桐 白木 高橋箒庵筆「宗関居士作茶杓 銘有明」
同蓋裏書付同筆「昭和四年十月吉辰末学 高橋箒庵識」
添紙包紙に有明御茶杓歌二首、筆者不詳「定家曙之茶杓 おもふをたれに詠てのこしおかむすいろにあまる春の曙 有明之茶杓 世にしらぬ心ちこそすれ有明の月の行えを空にまかせて」
添状 清水道慶筆「石州公御作之茶杓被遣拝見仕候御正作に而殊之外見事奉存候筒書付共無紛奉極候 以上 三月十七日 清水道慶」
極札 一枚

所載
茶杓三百選

寸法
茶杓
長サ19.4cm
幅0.5―0.95cm
厚サ0.3cm

長サ20.1cm
径2.5cm

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