金継ぎを受け賜っています。お気軽にお問い合わせ下さい。

交趾 大亀

付属物
内箱 桐白木

伝来
生嶋家藤田家中箱書付 万仭和尚筆

寸法
高サ6.1cm
口径5.8―8.1cm
左右7.8―10.5cm
底径3.8―5.6
重サ205g

 香合の王座といえば、数奇者ならばだれでも「交趾の大亀」と答えるであろう。
そもそも茶道で焼物香合の必要が生じた当初には、まず中国から青磁や染付のものを求めたが、それにもまして交趾と称して渡来した三彩釉の小盒は、茶人のことに歓迎するところであった。個々の形状がほとんど吉祥を表する生物の形を意匠とし、しかも香合に最適のものであったからである。 なかにもこの大亀こそ第1番の妙品であるというので、香合番付をつくったときには東の横綱として最高峰に据えられた。
 古くから大阪の某豪商の家に伝来していたが、明治初めの変動期に同じ大阪の素封家生島氏の所持となり、45年同家の名器売立会に出品された。
 ところが、かねてからこの香合の話を聞いて、いつかはわが物にせんと機会を待っていたのが、ほかならぬ大好事家の藤田伝三郎翁である。当時、翁は晩年で病重く就床の人であったが、大亀の入札会と聞くや、最高予想の注文を発し、生死の境に在るのも忘れて落札を期した。その結果、9万円で落札を得たとき、莞爾としてうなずいて冥界の人となったという。
 この香合は、総黄釉、甲文3彩の最高色彩で、同種「金森」「松平」の2点は、いずれも、総青釉、甲文2彩である。
 なお、各ページに掲載した下図のカットは、すべて、同種の参考品である。

タイトルとURLをコピーしました