
寸法
高サ2.1cm
口径8.5cm
胴径9.1cm
重サ50.8g
存星と称せられる漆器は、いずれも精巧な絵文様と色彩をもって造られている。存星は、作者の称ともいい、判然としない。
この香合は、色彩は比較的単調のようであるが、絵文様はいたって精密で、太古石にそって繁る樹木の下にすだく虫をそえ、総体の暗色をきかせた画面構成の手法がまことに面白い。
うすき一文字形、側面に点々と花文様の彫りをめぐらして、夏の茶席にまことにふさわしい逸品である。
存星の茶器は、奈良松屋伝来の松屋肩衝茶入とともに盆がもっとも有名であるが、香合の類でも、文様の構成技術は変化にとんで、色彩も千変万化、香合をはじめ茶器の類は数がきわめて少ない。
それは、近世中国ではこの技法がだんだん粗悪となって、優品の招来がたえたからであろう。



