染付 松竹梅文 水指

染付 松竹梅文 水指
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鶴田 純久の章 お話
染付 松竹梅文 水指
染付 松竹梅文 水指

高さ21.1cm 口径15.1cm 底径13.1cm
 胴を締めた日のような水指が比較的好んで作られたらしく、初期伊万里染付水指のなかに多く見られる。やや厚手に成形され、口回りは大きく、胴を少し引き締め、腰をまるく張らせ、高台は大振りに削り出されている。胴の上部に柳と飛鳥、それに雲らしい文様をあらわしている。山下朔郎氏はこの雲形の文様を伊万里独特の龍文様ではないかと推測しているが、私は中国の染付に見られる雲堂文様の変形と見ている。ちなみに、龍がこのように略画体になるのは十八世紀以後である。胴には三方に窓をあけ、その中に松竹梅の図を描いて、間を七宝文様で埋めている。七宝文様は大振りでのびのびとし、初期の染付らしい風格がある。製作年代は判然としないが、寛永年間頃の作品ではないかと思われる。

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