徳化窯 とっかよう

marusankakusikaku
Picture of 鶴田 純久の章 お話
鶴田 純久の章 お話

中国福建省永春州徳化の磁器。
明代より焼造りしました。
徳化磁器はいわゆる建窯のもので、製品の最も優良だった時期は明代で、この時代にできた置物・香炉あるいは花瓶は非常に値段が高く、とりわけ仏像に佳品がありました。
多くは白磁で穏和な透明度と玉のような光沢をもったわが国でいわれている白高麗であります。
清朝で最も盛んだった時期は康煕年代(1662-1722)で、対岸の台湾を主要販路としていましたが、台湾が日本に合併されて販路を奪われたため不振となりました。
この地の窯はわが国在来の登窯とほとんど同じで、景徳鎮の窯とはまったく様式が異なります。
すなわちわが国の登窯と同源であることがわかります。
近頃の製品は小形食器を主として置物・香炉・花瓶などがこれに次いでいます。
原料の性質上大きな器物をつくるのは困難で、花瓶などは高さ60cm余り、鉢類は直径30cm余りを最大とします。
製品の大半は釉上着画を施したもので、白磁がこれに次ぎ染付のものは最も少ないようです。
(『景徳鎮陶録』『清国窯業調査報吉』『匋雅堂談圃』)

前に戻る
Facebook
Twitter
Email