文林とも書きます。
りんご形の茶入。
唐物および古瀬戸茶入にこれがあります。
中国唐の第三代皇帝高宗の時、李謹という者が見事なりんごを帝に献じたところ、帝は喜んで李謹を文琳郎の官に任命したという故事によってりんごを文琳といいます。
現存する名高い唐物文琳茶入は次の通り。
珠光・酸漿・本能寺・玉垣・岩城・九鬼・横山・苫屋・田村・宇治・平野・白玉・大文字屋・水戸・三島・吹上・奈良・若草・半月・羽室・長谷川・織田・佐竹・筑紫・道蓮・博多。
同じく古瀬戸茶入には霜夜・山里・藻塩・破被などがあります。
(『茶具備討集』『茶器弁玉集』『茶道名物考』)