形物水指。
共蓋。
呉須水指の形物としては菱形と十二角形が喜ばれますが、菱形のうちこの馬絵のあるものが一番珍 重さ:れる。
菱形の両面かけて大きく窓をとり、前面に二匹、後面に一匹の馬を描きます。
筆触軽快、その絵に生動の麺があります。
蓋には山水文を描き、摘みは竹の節となっています。
呉須は明末清初の頃、華南仙頭方面の民窯の製で、染め付けの発色に黒みがあって一種下手に属するものですが、官窯の作にみられない素朴さがかえって茶人の好みに適い、盛んに彼地に注文されたのです。
内箱に「文化十一の春浜丁より世話にて求之 寒松堂」と書き付けています。
【寸法】 高さ:16.3 長径:20.3
【所蔵】 静嘉堂