Flower vase with bamboo design, enamelled Mizoro ware
Height 28.7cm Tokyo National Museum
高さ28.7cm 口径1.9cm 底径8.1cm
東京国立博物館
ふっくらと胴の張った首の細い花入で、このような姿の花入を首とよんでいます。平らな底の右に 「御菩薩池」 の印があるので御菩薩焼と称されていますが、今日では古清水の一種として扱われています。
御菩薩は 「隔蓂記」などにもその名のある江戸前期京焼の代表的な窯の一つでしたが、土佐の陶工森田久右衛門の残した旅日記によると、御菩薩焼の窯は初め洛北御菩薩池のそばにあり、後に洛中烏丸中立売に移ったことが記されていますので、御菩薩焼には二つの窯で焼かれたもののあることがうかがわれます。そして作品に「御菩池」 の印を捺したものと、「御菩薩」 の印を捺したものとがあり、御菩薩池印のものの方が、作振りも古調で優れていることから推してこの花入のように御菩薩池印のものは、御菩薩池のそばの最初の窯で焼かれたのではなかったかと思われます。
古清水独特の朽葉色の貫入のある釉が底を残した全面にかかり、細い首から肩にかけて青で唐草文様をめぐらし、地に緑の上絵具を塗り、胴には竹の文様を青、緑、金であらわしています。一般に古清水の上絵付は、このように青、緑、金で賦彩するのが通例です。
高台は低く、円座風に作られ、底は平らで土見せになっています。