光悦兎香合 こうえつうさぎこうごう

光悦兎香合
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鶴田 純久の章 お話
光悦兎香合
光悦兎香合

 形は大振りの平丸形で、藤の実形と茶人間では称されている。素地土はざんぐりとして、身・蓋の合口や内側などにみられる箆使いの様子は、あくまで卒直に、無造作に削りとられていて面白く、光悦独特の味が出ている。蓋裏には、薄い水釉の上に、黒い線描きで白兎と周囲の野草を軽々と描いており、その兎には今にも飛び出そうとする躍動感が感じられる。
 光悦の作陶は茶碗が主で香合はまことに少なく、このほかには「瓢箪」「鹿」などぐらいである。
この香合は松平不昧の遺愛品で、『千家名物記』にも一個(光悦黒の瓢箪)が記載されている。
【伝来】雲州松平家
【寸法】高3.2 口径:8.1~8.5 高台径:6.2~7.0 重さ:198

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