紅花緑葉林和靖彫香合 こうかりょくようりんなせいぼりこうごう

紅花緑葉林和靖彫香合
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鶴田 純久の章 お話
紅花緑葉林和靖彫香合
紅花緑葉林和靖彫香合

 紅花緑葉は堆朱の一種で、そのうちの上作のものとして扱われ、『君台観左右帳記』にも「彫物之事」として掲げた中に、この名をあげている。朱漆と青漆を塗り重ねて色層をつくり、花・鳥は朱漆、葉は青漆が現われるように彫り上げるところから、この名がある。中国称を別彩という。
 この香合は、円一文字形で、蓋甲には中国の高士林和靖が松樹のもとで鶴を愛する画題を彫漆しており、色も朱と青のほかに黄・茶も加えられ、まさに漆芸の粋をこらしている。
もともと紅花緑葉の香合の請来品はいたっ少なく、その中のまた絶品といってよいであろう。
【伝来】吉野五運根津青山
【寸法】 高さ:2.8 胴径:7.5
【所蔵】根津美術館

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