形物香合番付西方四段目。
一葉とはいえ、青磁にみるように葉形の写実性は乏しく、強いていえば芋の葉形に近い。弾き摘みが約束で、左右に花憂文が相対している。弾きのあるものは同類に「隅田川香合」があるが、染付の性質も近似したものがある。すなわち「辻堂香合」「叭々鳥香合」などの古格な染付と違って、表面に艶があり、絵も軽妙な筆致となっている。
この類は虫喰が少なく、それだけ時代も下るかもしれないが、茶味は失われていない。このことは、すでに日本からの注文の時代に入っていることを証明しているようでもあるが、それゆえに評価を下げているということはない。
【寸法】 高さ:3.3 径4.7~7.7
【所蔵】滴翠美術館