赤絵 淀屋金欄手 雲屋体 よどやきんらんで

赤絵 淀屋金欄手 雲屋体 よどやきんらんで
Picture of 鶴田 純久の章 お話
鶴田 純久の章 お話

付属物 箱 黒漆貼紙書付
伝来 淀屋辰五郎
所載 大正名器鑑
寸法
高さ:6.3cm 口径:11.9cm 底径:4.7cm 高台高さ:0.8cm 重さ:154g

 明代以後の景徳鎮で、色絵磁器が最もさかんにつくられるようになったのは、嘉靖に入るころからとされています。官窯はもちろんのこと、民間の窯でも大いに造られたらしいですが、その民窯の中でとりたてて赤絵の巧い窯がありました。今日に伝わる金屑手ものを造った窯です。金欄手の中には、赤絵金屑手・萌黄金屑手等、色調の上で多くの種類がありますが、すべて同じ窯で造られたと考えてよさそうです。
 この淀屋金屑手の碗の形は、明らかに他の金屑手の蓋茶碗と同じものだからです。初め蓋茶碗だったものが、いつか蓋を失い、茶碗として用いられるようになったのでしょう。
 内面の縁飾りは、約束どおり濃いめの染め付けでえがかれ、外面は染付なしの色絵だけです。図柄は、禅機画の牧牛図をアレンジしたもので、瓢逸の味があります。
赤・黄・緑・藍のほか、珍しく紫を用いて彩色しており、牛の体その他に金彩が施されています。浪花の豪商、淀屋の伝来として有名な品です。

名物。中国産赤絵茶碗。
茶碗箱蓋裏の張紙に「此茶碗大坂淀屋三右衛門所持也」七あります。
昔から淀屋金欄手と呼ばれるのはこのためであります。
豪奢で風雅で知られた淀屋辰五郎、令庵らはこの所持者としてふさわしいと思われるが三右衛門と呼ばれたことがないようです。
ただ辰五郎の先祖に三郎右衛門という人かおり、その誤伝かあるいは支族に三右衛門という大が別にいたのかは不詳。伝来・年代とも不詳。
(『大正名器鑑』)

赤絵淀屋金欄手雲屋台茶碗 あかえよどやきんらんでくもやたいちゃわん

明代嘉靖年間に、中国景徳鎮窯で生産された、色絵の上に金彩を施した色絵磁器を金欄手といい、上絵の色によって萌黄地金欄手・瑠璃地金欄手などと称します。
抹茶茶碗として用いられる金欄手は、はじめ蓋茶碗であったものが、蓋をはずし身だけを茶碗としたものであります。
この茶碗はいくぶん高さの低い薄手の椀形で、広い高台をもちます。内面は濃い染付の縁飾りがあるようで、外面は瓢逸味ある禅機画の牧牛図を描いています。
赤・黄・緑・藍のほか、珍しく紫を用いて彩色してあるようで、この紫色を使うのが淀屋金欄手の特色。
【付属物】箱―黒塗、貼紙書付
【伝来】淀屋辰五郎
【寸法】 高さ:6.3 口径:11.9 底径:47 高台高さ:0.8 重さ:154

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