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鶴田 純久の章 お話
熊野懐紙
熊野懐紙

藤原雅経筆。
重文。
熊野行幸二首和歌。
現存が確認されている「熊野懐「紙」は三十三葉であるが、「行路氷・暮炭竈」は後鳥羽院・家隆・寂蓮ら四葉が知られる。
冬の歌会であり「古谿冬朝・寒夜待春」と同様正治二年(1200) 十一月行幸の際のものであろう。
歌は二行十二字・二行七字と二首懐紙形式の成立過程を示し、和歌懐紙の王座をしめ、製作年代も「一品経懐紙」に次ぐ古いもので、定家の『熊野行幸記』に徴してその正確な年代・事情などが判明する貴重な歴史的資料である。
雅経(1170~122)は難波頼経の二男で、飛鳥井家の祖となり 『新古今集』の撰者の一人。
【寸法】本紙縦30.3 横50.9
【所蔵】東京国立博物館

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