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草花紋銀モール そうかもんぎんもうる

草花紋銀モール
草花紋銀モール

十七世紀。
名物裂。
予楽院近衛家熙の愛用した裂で、予楽院裂の名称がある。
白地の風通に薄茶の糸で、図案化した唐花を台付きの鉢に植え込んだインド特有の意匠。
鉢と花紋の部分だけに銀モール糸を打ち込み、白地をバックに退色してベージュ色になった紋様と、銀モールがすばらしい諧調をなしている。
十六から十九世紀までのインド西北部を支配したムガール帝国が、1857年イギリスに滅ぼされるまでの間に、この国で織製され織物をモールと呼んでいる。
繊細な感覚と異国的な紋様からくる典雅さは、当時の宮廷貴族の嗜好を魅了した。
『槐記』の随所に茶入の仕覆や掛物の表具裂にモールの使用がみられ、『裂地手鑑』に断片が遺存している。

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