青木木米筆。
朝日に輝く宇治の景観を画いたもので、淡彩による浅絳山水の小品であるが、陶磁器の絵付を思わせる湾曲した構図である。
兎道は宇治に音通し、朝墩は朝日の輝きのこと。
青木木米(1767~1833)は京都の陶工、幼名八十八、のち佐兵衛。
木米の号は家号の木屋と幼名とを合わせたもので、九九鱗・聾米・百六散人の別号がある。
奥田頴川につい陶法を学び、文化四年(1807) 加賀前田侯の招きに応じ九谷焼を開窯、のち京都に帰り粟田に築窯した。
煎茶器が多く中国陶磁を研究模倣し絵画を能くした文人である。
【寸法】 画面 縦48.6 横59.4
【所蔵】東京国立博物館