直斎好名取川香合 じさいごのみなとりがわこうごう

直斎好名取川香合
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鶴田 純久の章 お話
直斎好名取川香合
直斎好名取川香合

 官休庵武者小路家の歴代中出色の人といわれる四世直斎は、その好み物においてもすぐれた作品をいくつか生み出している。その中でも最も世に知られているのは、この「名取川香合」であろう。これは奥州の歌枕、名取川から出た埋木を、藩主伊達家から宮中へ献上され、それを九条家を通じて直斎に下賜されたので、香合に好まれたものである。
 形は長角の錫縁形とし、身の内側に名取川の河面に立つ波のさざめきをとった波模様が蒔絵されている。それ以外は埋木の木地をそのまま露呈し、蓋裏に「名取河」、畳付に直斎の名判が漆書されている。宝暦の頃に五個つくられたと伝えられている。
【寸法】 高さ:3.4 縦7.8 横6.0

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