青鸞の羽根を用いた羽箒は、古来最上のものとして特に珍 重さ:れているが、古作のものは少ない。
炉には左羽を用い、いくぶん短くて幅の広いものが使用され、風炉には右羽を用い、幅の狭い細長いものが使用される。
元来羽根は一度使用するごとに新しいものにとり替えたが、遠州時代に中国や南方の珍しい鳥の羽根をもとめてこれを用いるようになってから、箱書をして後世に伝えるものも多くなった。
青鸞のほか、白鶴・玄鶴・白鳥・野雅・鷹・紅鷺・鴻・梟・鷲などもあり、三つ羽のほか一つ羽・摑み羽・飾り羽・座掃・小羽箒があり、双羽のものは炉・風炉兼用で真の炭手前に用いられる。
【寸法】(上)長さ37.5 (下)長さ35.0
【所蔵】根津美術館