女竹を用いて粗く編んだ籠で、当初の目的は海辺で栄螺その他の貝類を入れるものであった。
その雅味を面白いとして茶人がとり上げ炭斗にしたものである。
一名「貝籠」ともいう。
利休の茶会に招かれた人が栄螺を入れ持参した籠を、利休がただちに炭斗に使用したのがはじめであるともいう。
この利休の故事に倣って、宗旦ほかの千家代々が海辺の籠をとり上げており、またこれにヒントを得て新しく形を好み職方につくらせてもいる。
陰歴三月三日は大干潮で潮干狩りをする習慣があるところから、貝に因んでこの籠を三月の茶会にとり合わせる。
【寸法】高さ:14.0 口径:27.0