




池島肩衡
朝日手 男爵 岩崎小彌太氏藏
名称
蓋師にして目利たりし池島立全の所持せし茶入なるが故に此名あり。
・蓋:4枚
(竪簒 1枚、竪簒 1枚、簒立佐 1枚、簒なし 1枚)
・御物袋(ごもつぶくろ):白縮緬(しろちりめん)
・仕覆(仕覆/袋):4点
- 崩黄獅子紋宝尽純子(裏地:玉虫、緒つがり:玉虫)
- 丹地輪違海松紋金襴(裏地:玉虫、緒つがり:玉虫)
- 大吉文字入純子(裏地:紫、緒つがり:紫)
- 唐草模様古金襴(裏地:浅黄かいき、緒つがり:紫)
・木形:花櫚(かりん) 1点
(丹地輪違海松紋金襴の袋に入る)
・袋箱:2点
[墨書:池島肩衡 袋]
・挽家(ひきや):桐 春慶塗 金粉字形
[墨書:池島肩衡]
[墨書:池島肩衡 蓋三 袋二]
仕覆:竪縞綿関東(裏地:紋どんす、緒つがり:茶)
・箱:桐 白木
[墨書:池島肩衡]
[墨書:朝日春慶]
雑記
池島肩衡 朝日春慶 池島立全所持。高さ約11.2cm(3寸7分)、胴径約9.1cm(3寸)、口径約4.2cm(1寸4分)、底径約4.4cm(1寸4分5厘)。
(名物記)
伝来
元は茶入の蓋師であった池島立全の所持であり、その後の伝来は詳しく分かっていない。岩崎家に納まった年次もまた不明である。
実見記(実際に観察した記録)
大正9年(1920年)11月4日、東京市芝区高輪南町の岩崎小彌太男爵邸にて実見する。
口縁(くちぶち)は丸く、くり返し(立ち上がり)は浅い。甑(こし)は低く下張りし、肩はきっかりと張っている。胴は張っていて、横に沈み筋が一条巡っている。裾以下は朱泥色の素地を見せており、その上を轆轤(ろくろ)目が細かく巡っている。底板を起こした作りで、土には「いち/\紋(イチイチ紋)」が見られる。
全体として赤みを含んだ栗色の地色で、その中に黄釉が点々と飛んでいる。胴の糸目(胴紐)にかけて黒い金属質の釉薬が輪状に巡り、その縁に大小5つの黄釉の点が並んでいて面白い景色(見どころ)をつくっている。
内部は口縁まで釉が掛かり、それ以下は細かな轆轤目が巡り、底の中央は渦状になっている。春慶の素地で手取りは軽く、黄釉の景色が面白い。特に肩先において同様の飛ばし釉が3点あり、円満で素晴らしい姿を備えた大型の茶入である。
【原文】
池島肩衡
朝日手 男爵 岩崎小彌太氏藏
名称
蓋師にして目利たりし池島立全の所持せし茶入なるが故に此名あり。
寸法
高 參寸七分
胴徑 參寸
口徑 壹寸五分
底徑 壹寸五分
甑高 參分六厘
肩幅 四分五厘
重量 五拾四匁七分
附屬物
一蓋 四枚
一竪簒 一竪簒 一簒立佐 一簒なし
一御物袋 白縮緬
一袋 四ッ
崩黃獅子紋寶盡純子 裏 緒つがり 玉虫
丹地輪違海松紋金襴 裏 緒つがり 玉虫
大吉文字入純子 裏 緒つがり 紫
唐草模様古金襴 裏 淺黃かいき 緒つがり 紫
一木形 花櫚 一ッ
丹地輪違海松紋金襴袋に入る
一袋箱 二つ
[池島肩衡 袋]
一挽家 桐 春慶 金粉字形
[池島肩衡]
[池島肩衡 蓋三 袋二]
袋 竪縞綿廣東 裏 紋どんす 緒つがり 茶
一箱 桐 白木
[池島肩衡]
[朝日春慶]
雜記
池島肩衡 朝日春慶 池島立全所持。高三寸七分胴三寸口一寸四分底一寸四分五リン。
(名物記)
傳來
元茶入蓋師池島立全所持にして、其後の傳來審かならず其岩崎家に納まりたる年次も亦不分明なり。
實見記
大正九年十一月四日、東京市芝區高輪南町岩崎小彌太男爵於て實見す。
口緣丸く、括り返し淺く、甑低く下張り、肩キッカリと衝き、胴張りて沈筋一線繞る、裾以下朱泥色土を見せ、其上を轆轤細かく繞り、底板起しにて土いち/\紋を成す。總體赤味を含みたる栗色地にて、中に黃釉點々飛びあり、胴紐にかけて黑金氣釉の輪形あり、其緣に黃釉大小五點並び、面白き景色を成す。內部口緣釉掛り、以下轆轤目細かに繞り、底中央渦狀を成す。春慶土手取輕く、黃釉景色面白く、殊に肩先に於て同釉飛び三點あり、圓滿なる相好を具へたる大型茶入なり。



