大名物。中国茶碗、灰被天目。
茶碗の外側に虹のような鮮やかな釉色の変化があるのでこの名があります。
銀覆輪、口縁から腰までやや斜めにひびきが一本あります。
半面は黒地、半面は柿金気色で、その境に銀色の釉が口辺より少し斜めに腰のあたりまで掛かり虹の景色をつくっています。
もと東山御物、奈良東大寺四聖坊の宝物となり、のち古川大和大禄、谷可十郎(1742、寛保二年)京都三井家(1855、安政二年)若狭酒井侯を経て1923年(大正一二)益田家に人りました。
当時の価二万六千二百円。
(『宗湛日記』『玩貨名物記』『古名物記』『古今名物類聚』『大正名器鑑』)