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鶴田 純久の章 お話

赤楽茶碗。
ノンコウ作。
ノンコウ七種の内。
銘は宗旦と親交厚い鳳林和尚の所持による。
口造りはやや抱えて山道になり、胴締めで腰が張り、裾は丸くなっている。
胴や裾には、竪箆や横箆が使ってある。
素地は赤土で、総体に熟柿をみるような緒釉に、ところどころに青みの火変りがあって景になり、また白いむらも現われている。
内部の懐は広く、高台は土見で、内に楽印が捺され、際は切込みが深い。
【付属物】内箱-桐白木、蓋裏書付江岑宗左筆 外箱-杉白木、蓋裏書付如心斎宗左筆
【伝来】金閣寺鳳林承章-鴻池家-松平不昧
【寸法】高さ7.7~8.1 口径11.3~11.9 高台径5.0 同高さ0.8 重さ340

鳳林 ほうりん

鳳林 ほうりん
鳳林 ほうりん

名物。楽焼茶碗、赤、ノンコウ七種の一つ。
金閣寺鳳林承章の所持であったことよりこの名かおります。
『名物目利聞書』にはこの茶碗に亦心い煩いした話が載っています。
大阪の岩井某がこの茶碗を所持していた時、ある人がこの茶碗欲しさに堪えられず恋いわびて病気になったのを、友達が不惘がり岩井某に掛け合ったところ、売買のつもりは毛頭ないがせめてこれで茶を差し上げようといったので、病人はたちまち本復し早速茶会に赴き、茶のあと水屋の棚に黄金二百枚を置いて持って帰ったといいます。
諸家を転伝ののち文化(1804-18)頃五百三十両で松平不昧に移りました。
(『名物目利聞書』『本朝陶器放証』『大正名器鑑』)

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