上手物に対する語で、一般民衆の日用の雑器をいい、一品製作ではなく多数生産されるものです。
すなわち儀礼的・貴族的なものではなく、日常実用のための品。
それ故粗悪なものもあるでしょうが、多量生産は必然的に技術の熟練を生み、雅致あるものが多く、品本来の性質上精巧な美は示さないが素朴健康な味があります。
大正末期から昭和の初期にかけての柳宗悦を主唱者とする民芸運動により、無名の陶工たちの手によってつくられた何のてらいもないこれらの下手物の中に秘められた工芸的な美が再認識され、開発され、民芸品として高く評価されるものが多くあります。
下手物 げてもの
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