唐三彩 とうさんさい

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鶴田 純久の章 お話

中国唐代につくられた軟質の三彩。鉛釉の緑・白・褐の三色釉で彩られるためこの名があるが、時にコバルトの青を加えて四彩にしたもの、緑と白、青と白による二彩のものをも含めて唐三彩と称する。漢以来の緑釉・褐釉の進化した技法といえよう。つくられたのは唐の都長安(西安)と洛陽の近傍の窯で、長安の土は微紅色、洛陽の土は白色を呈し、これに白化粧をしたのち施釉して焼く。つくられるものは壺・瓶・盤・鍑・鉢・水注などの器、人物・動物などの副葬土偶である。器物の形には時代を反映して竜耳の瓶、鳳凰頭の水注など西方の意匠が横溢し、同じ西方の金属器から採った貼花文や打出し文なども頻用される。三彩釉は段々状に掛け流されることが多いが、盤の内などでは型押しした文様を色分けに塗ることも多い。白い点々文などは抜きの技法によったのであろう。唐三彩のつくられたのはほ盛唐時代に限られ、その流れは遼三彩、奈良三彩、ペルシア三彩となる。唐三彩は器物でも原則として副葬用に供され、日常に用いられることはなかった。

中国の唐時代につくられた軟陶三彩を呼びます。
緑・白・褐の三色が多いですが、緑なり、白なりの一色のものもあります。
たまに青色を加えたものもあり、これは藍彩と呼ばれています。
殆ど副葬品として用いられました。

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