Sue ware: tall foot jar with sculptured ornament. Excavated from Nishimiyayama Tumulus, Tatsuno-shi, Hyogo. 6th century. Height 37.4cm. KyotoNational Museum.
兵庫県竜野市西宮山古墳出土
6世紀
高さ37.4cm口径21.0cm 胴径18.8cm 底径20.8cm
京都国立博物館
台脚をもった広口壺の肩に小壺や彫像をつけた装飾壺の一種で、6世紀代の古墳副葬品に通有な形態のものです。大きくラッパ状に開いた広口壺の肩に四個の小壺を配し、その間に人物 動物を組み合わせた小像群があります。第一群は四人の人物からなり、二人は組み合って角力をとっています。その傍で両手を合わせているのは行司でしょう。さらにその横にいる人物は、観客を代表させたものでしょうか。第二群は蹲って首を高くあげた親鹿に乳を求めて寄りそった二匹の子鹿と一人の人物を表わしたものであり、中央の人物が何であるかよく判りませんが、親鹿に寄りそう子鹿の愛くるしいさまがよく表現されています。第三群は三人の人物からなり、二人が天秤棒に荷を吊るして肩にかけており、後からゆく人物は背に大きな荷を背負っています。第四群は一匹の動物の小像が残っているのみで他は欠けており、内容は不明です。いずれも日常の生活の一端を示したものであり、粘土紐をひねっただけの簡単なつくりですが、よく姿態の動きを捉えて妙です。器物はよく焼き締まり、この時期特有の灰黒色を呈しています。装飾須恵器の代表的作品の一つです。