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鶴田 純久の章 お話
須恵器 環状提瓶
須恵器 環状提瓶

Sue ware: ring-shaped vase. Excavated at Saka Muōhara-machi, Hiroshima. 6th century. Height 19.8cm.Tokyo National Museum.
広島県安芸高田市向原町坂出土
6世紀
高さ19.8cm 口径6.5cm 胴径16.5cm 胴厚6.8cm
東京国立博物館
 提瓶の変形で、きわめて類例の乏しいものです。小さい口頸部のつくりは古式の提瓶に近い形をしていますが、肩の浮文は環状耳の退化形式であり、両面の突帯の間に施された櫛歯文の手法からみても、6世紀後半を遡るものではありません。素地は黄白色の砂質に富んだ土で、よく焼き締まって、肩および内円の部分に黄褐色の自然釉がかかっています。また、底部に近い側面に点々と朱が付着しています。
 環状提瓶は現在広島県下で数例発見されているのみであり、地方色に富んだ変形須恵器の一種と考えられますが、朝鮮にも類例はなく、その出自については明らかでありません。

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