共蓋。
有名な「呉須菱馬水指」の変わり手。
菱馬は菱形の前後両面にかけて窓をとり、馬の絵を描くのですが、これは山水人物図です。
前の二面に松と梅を大きく出し、童子を従えてこれを眺める人物もまさに生々動き出すばかりです。
雲文も自由自在。
摘みは弾き。
釉素地にひびあり、染め付けの発色に濃淡あって、粗放の感を免れませんが、これがまた茶人の随喜を呼び、後世の日本写しには求められない味わいがあります。
なお絵にある人物は、梅を植え鶴を蓄え二十年、市に出なかったという宋人林和靖とされています。
この種のものはみな明末清初華南民窯の製。
【伝来】 平瀬家
【寸法】 高さ:19.0 口径:17.8~20.2 重さ:1900 蓋:415