Picture of 鶴田 純久の章 お話
鶴田 純久の章 お話

中興名物。真中古茶入、野田手。
銘は『千載集』の古歌「さまざまの心ぞとまる宮城野の花のいろく虫のこゑく」によります。
阿部豊後守所持、のち松平不昧に入り以来雲州家に伝わりました。
(『茶道名物考』)

みやぎの 宮城野

瀬戸真中古窯茶入、野田手。
中興名物。
小堀遠州が茶入の景に因んで、『千載集』秋歌上「様々の心ぞとまるみやぎ野の花のいろ虫のこゑ」を引いて命銘したものです。
伝来は阿部豊後守忠秋から堀田相模守正亮・松平左近将監乗邑・金森和泉守と伝わり、安永四年伏見屋甚右衛門が入手、同七年松平不昧へ納められました。
別説に河内屋喜兵衛が仲介したともされています。
姿は野田手の約束どおりほぼ円筒形をなし、同類中ではやや背の高い方です。
口造りは捻り返しが強く、裾周りに切り箆がめぐらされています。
特徴は何といってもその釉景にあり、甑から肩にかけて七分どおりが黒釉で覆われ、残り三分が黄飴釉となっています。
これらはすべて光沢としきよく、その中にあって肩先から黄釉がなだれ下がって裾に至り、置形をなしています。
裾および畳付は土見で糸切底をなし、一部にひっつきのようなものがみられます。
『古今名物類聚』『名物記』『麟鳳亀龍』ほか諸書に記録され、『伏見屋手控』によれば、不味に納められた金額は三百両とされています。
また『大円庵茶会記』では、これを用いて文化四年に独楽庵の茶会が催されていることがわかります。
【付属物】蓋 仕覆―二、船越間道・白地花麒麟紋金襴(図版右より) 挽家 花櫚 内箱 桐黒掻合塗、金粉字形・書付小堀遠州筆 外箱 桐黒掻合塗、金粉字形・書付松平不昧筆
【伝来】 阿部豊後守忠秋 堀田相模守正亮 松平左近将監乗邑―金森和泉守伏見屋甚右衛門―松平不昧
【寸法】 高さ:8.2 胴径:6.4

前に戻る
Facebook
Twitter
Email