高さ16.3㎝
口径14.3㎝
張り出したりが角度をつけて折れ曲る算盤玉形の典型で、提灯壺とともに李朝陶磁で好んで作られた形であるようで、したがって唐津の壺にも頻々と現れる。
もともとは、もう少し緩いカープの刷だったのが、削りの時に強く鉋が当ってこのように稜が立つたらしい、その削り目が腰のあたりに際立っています。
絵は菖蒲を描いたものと思われるが、面白いことに花の下から髭のような唐草が左右に伸びています。
縦長の菖蒲だけでは寂しいと思って勝手に付けたらしく、両面の菖蒲文の間に、小さい木賊文が置かれていて、なにかユーモラスな絵面であります。
長石釉が還元気味に青みを帯びています。