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鶴田 純久の章 お話
絵唐津 葦文 壺
絵唐津 葦文 壺

高さ16.1cm 口径16.6cm 胴径22.9cm 高台径10.7cm
出光美術館
 胴の強く張ったいわゆる算盤玉形の壺で、 絵唐津の代表作として広く知られています。 広い口造りは低く鋭く端反りになり、高台は素ぐり直にがっしりと削り出されています。 胴の一方には慣れた筆行きで左右に広がった芦と草花の文様を、 他方にはのびのびと屈輪唐草を描いています。高台を除いた全面に土灰の混じった長石釉をかけていますが、裾の一部は釉が縮れています。 絵唐津の壺のなかではもっとも大振りの一つで、まったく同様の形姿、 文様のものが日本民芸館にも蔵されています。 類似の陶片が市ノ瀬高麗神の窯跡から出土しています。

絵唐津 葦文 壺

高さ16.1㎝
口径15.5×16.6㎝
胴径22.9㎝
高台径10.7㎝
出光美術館
 これもかねて絵唐津の壺の名品として名高いものの一つであります。
塩笥形(口が狭まって胴の膨んだ形)や算盤玉形はやはり李朝陶の名残りが強く、広く高い鳥台とロの襟の反返りが、よく形を引き締めています。
唐津の壺としては最も小気味のいい姿形であり、そして簡略に筆の少ない絵付の壺が多いなかで、これはむしろ絵の量の多い複雑な部類に属します。
草むらのなかに一際だけの高い禾本科の葦らしい野草と花を描いたものですが、檜垣風の草むらの抜き方には、李朝風をいくぶん脱しかけた気配がうかがえます。
釉は長石の少ない灰釉で、裾の削りの部分では蛇蝎状の凝結が見えます。
甕屋の谷窯の代表的な作例であります。

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