岐阜県可児市兼山古城山窯出土
14世紀
高さ43.3cm 口径31.2cm 胴径48.6cm 底径16.5cm
一見して常滑とみまがうばかりの甕です。昭和四十二年十二月、木曾川に面した兼山町古城山の一窯跡から発掘されたものです。
鉄分の多い粗い土で、常滑より耐火度は高いです。紐土輪積成形で 胴を五段に接いで成形しています。器面は刷毛を縦に用いて整形していあります。口縁部の縁帯は1.4 cmと短く、外に折り返されないで、上に垂直に引き上げられている。肩の張りからみて鎌倉後期の作ですが、口縁帯が常滑とくらべて狭いのは、耐火度の高い土を使用しているためでしょう。肩に濃緑の自然釉が流れて、野性的です。