銅板を折りまげて舟形につくった花人で、上部で打ち合わせになっています。
全体が沓形にみえるので沓舟と呼んでいますが、これが竹花入の沓舟や長生丸のもととなっているとみられます。
いずれにしてもきわめて佗びた風情の花入で、宗旦の好尚をよく表しているといえよう。
ふつう銅は落としの内張りに使用されるものですが、これを表面に出したところに宗旦の意図がうのです。
またこれには輪の粗い専用の鎖が付けられています。
玄々斎の写しは七代浄益がつくったもので、後部に玄々斎の朱漆書があり、そのいくつかが今日伝えられています。
【寸法】長さ12.7 胴径:7.0