Picture of 鶴田 純久の章 お話
鶴田 純久の章 お話

Tokunyü: tea bowl, Red Raku
Mouth diameter 11.0cm
Raku Museum
高さ8.3cm 口径11.0cm 高台径5.3cm
樂美術館
 内箱蓋裏に「得入作 赤茶碗 九代了入印」と得入の弟で明和七年に家を継いだ了入が極め書しています。得入という称号は、寛政十年二十五回忌に当って贈られたものであり、了入の極め書も、了入が剃髪して了入と号するようになった文化八年五十六歳以後の筆であることはいうまでもありません。
得入の赤茶碗のなかでは出色の作で、長入に似た釉調です。ロ縁の緩やかな起伏は五岳に作り、胴には二段に横目をつけ、高台そのまわりにも箟取りをめぐらしています。高台は低く、高台際を深く削り込み、畳付は平らで、高台内に楽字の印を捺しています。釉景色は鮮やかで、一部に火変りが生じ、赤の発色も濃く薄く、変化に富んでいます。畳付に目跡が三つ残っています。

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