形物香合番付西方前頭二枚目。染付香合としては「辻堂香合」に次ぎ、数もきわめて少ない。
染付香合は中国景徳鎮民窯の産で、時代は明末から清初に及んでいる。本来は他の用途のためにつくられたものが、茶人によりとり上げられ、さらに好みに応じて注文もされるようになった。「叭々鳥香合」は番付上位にあるところから転用品かと思われる。
この香合は完全無疵で、稀にみる逸品である。形は六角形で、甲には枯木に止まった叭々鳥、側面には上下に落梅文が描かれ、その図柄は瀟洒で枯淡な味わいがある。叭々鳥は吉祥の鳥で、中国では古くから禅味をもって画題とされてきた。
【寸法】 高さ：3.6 口径：5.3～5.9 重さ：100
