一文字の櫂先を宗和に倣う。
樋の面側に溝があり、節を越えて節下に腰のそげをつくる佗びた竹を用い、綺麗寂びの茶杓を物するところは、さすが貴人であるといおうか、犯しがたい威厳が感じられる。
裏の削りは丁寧磨いて神妙である。
筒は草筒の面取りで、メ印に花押を筆太に書き付ける。
裏にはかすかに皮を残して景色となし、側面にはごまをまじえた皮を残す。
品位高い作意気である。
常修院は常修院梶井宮慈胤法親王。
後陽成天皇第十三皇子。
茶道は古田織部門、のちに金森宗和に付き宗和流の茶をきわめた。
予楽院の茶道の師でもある。
【寸法】 茶杓長さ17.8 幅0.6~1.1 筒長さ20.3 筒長さ20.3
【所蔵】陽明文庫