白さび、櫂先から節にかけて煤竹の景色があり、節下に虫喰の寂びたる風情がある。腰高で撓めが強く、節裏を抉る。筒は皮を残して面取りし「メ白露」の書付は静寂である。船越伊予守は徳川旗本にして普請奉行を勤める。従五位下伊予守永景。茶を織部・遠州に学ぶ。号は正養庵宗舟。遠州没後、石州とともに当代の大宗匠と呼ばれた。同十年没、七十四歳。【付属物】包紙―黒田家のもの「延宝二年三ノ五白露伊与殿」 箱桐白木、書付三井泰山筆 外箱―杉白木、小堀宗明筆【伝来】黒田家【寸法】 茶杓長さ19.4 幅0.6~1.0 厚さ0.25 筒長さ20.9 径1.7~2.3