白さび竹の節上側面と節下に煤竹斑のある美竹を用い、櫂先の長い三斎形で、逆樋の芽痕を景色にして厚めに、裏は総体雉股削りに仕上げ、切止は一刀切下しである。
筒は四方面取りで、四方に皮を残した草筒に「三斎」の署名がある。
無銘であるのは時代の一形式である。
三斎は利休七哲の一人。
幽斎の長男、忠興。
はじめ信長に仕え、のち豊臣・徳川と動乱の世を生き抜いた。
利休が罪を得て堺に下る折、古田織部とともにまで見送った話は名高い。
利休没後は遺子道安を領内に匿い三百石を与えた。
【付属物】箱―桐被せ蓋、蓋裏書付官休庵宗守筆「細川三斎茶杓共筒追銘勢多」
【寸法】茶杓―長さ18.3 幅1.0 厚さ0.2 筒長さ20.7