
明代。
名物裂。
前田家伝来有栖川裂の代表的作例。
雲龍紋錦に比してペルシア風の麺が強く、織法も木綿地に色糸を浮織としている。
製作年代は十六世紀末で、ペルシアカーペットに同手の紋様がみられるから、中近東方面の製と考えられる。
鹿紋錦は薄赤茶・白・緑色を地と紋様に配し、鹿を繋ぎに似た幾何学紋様で、織留は卍字の段織になっている。
オランダ船による舶載品であるため、オランダ錦の名称もある。
錦裂は一般に厚手のものが多く、その特性を生かして家の仕覆に使用される例が多い。
紋様は異なるが、大名物「利休鶴首茶入」には牡丹花紋の裂が、中興名物「音羽茶入」には鳥紋の裂が家の仕覆にある。
【所蔵】前田育徳会


