破墨山水図 はぼくさんすいず

破墨山水図
Picture of 鶴田 純久の章 お話
鶴田 純久の章 お話

雪舟筆、自序。
国宝。
明応四年(1495)76歳の雪舟が、山口の雲谷庵に鎌倉から画事修行に来ていた弟子宗淵の帰国に際し与えたもので、雪舟が会得していた水墨画の要諦を、「破墨の法」として示した記念すべき作品である。
図上の自序の中で雪舟は、自らの中国観光の成果について、大自然とそが師匠であり、当時の画家には学ぶべき人物がなく、改めて師の周文の偉大さを認識したことを記している。
雪舟のいう「破墨」とは淡墨で要所をき、墨の乾かぬうちに濃墨を点ずる技法で、元代の画僧玉澗による撥墨法のことであり、雪舟の弟子たちに相承される。
【伝来】慈照完
【寸法】画面一縦149.1 横3.7
【所蔵】東京国立博物館

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