伝胡直夫筆、優溪広聞賛。布袋は中国四明山の僧で、ふとった腹を抱え、日用品一切を入れた大きな袋をかつぎ、一本の杖をもって市中を放浪していたところからその名が生まれたという。その円満にして飄逸な姿は禅家の理想として映り、詩画の主人公となった。胡直夫は『君台観左右帳記』に上の部として記載されているが、中国の画史画伝にはその名が見出せない。賛者の偃溪広聞(1189~1263)は南宋末の禅僧である。【付属物】添状―五、大徳寺乾英・柳首座・狩野法印・乾栄宗単・玉舟宗璠筆【伝来】足利将軍家―久松家【寸法】全体―縦150.0 横30.7 画面 縦70.6 横29.2【所蔵】松永記念館